南アルプス入門Scenery of Japan Haruki Yamashita Original Photo |
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南アルプス入門・・・南アルプスの四季や地形・地質、動物・植物の概要(目次は左側です)
[ 地形と地質 ] 南アルプスは、西を中央構造線(紀伊半島・四国・九州を分断する大断層)によって、東を糸魚川―静岡構造線(東側にフォッサマグナ=大地溝帯を伴う大断層)によって区切られ、北に突き出た楔(くさび)のような形をしている。 南アルプスは大陸を縁取るように取り巻いた地向斜と呼ばれる海に、陸地から運ばれた泥や砂が堆積し、隆起したのである。 現在も年平均4ミリメートルという我が国最大級の隆起量を示しており、所々で見られる大きな崩壊地は山地の解体が進行していることを示している。 隆起運動の結果、横からの力による褶曲(しゅうきょく)と下からの押し上げによって山地帯を形成し、現在の高度に達したのは約200万年の間のことと考えられている。 北岳・間ノ岳・仙丈岳・悪沢岳などには、約2万年前の氷河期の氷食によって作られたすり鉢状の窪地「カール」やモレーン(堆石堤=石が積み重なって堤防のようになっているもの)が見られ、氷河時代の名残をとどめている。荒川岳(あらかわだけ)のカールは日本の最南端のもので、カールの底の標高は2800m~2900mと、北アルプスの2600mに較べて高い位置にある。 二重山稜・舟窪地形など独特な地形は間ノ岳・上河内岳(かみごうちだけ)・光岳などで見られる。 南アルプスにおける主要な山々の地層は四万十層群と呼ばれる中生代白亜紀(約1億年前)の地層からできており、主に固い砂岩・頁岩・粘板岩などの暗灰色の堆積岩である。 赤色のチャート(石英質の堆積岩)は悪沢岳~聖岳周辺、明るい色合いの花崗岩は甲斐駒ケ岳~鳳凰三山などで見られる。
[ 樹木と花 ] 樹木の種類は山の高さによって大きく異なっている。 垂直分布を見ると標高の低い所から高山に向かって順に、常緑広葉樹林帯(照葉樹林帯)・落葉樹林帯・常緑針葉樹林帯(亜高山樹林帯)となっている。標高2600m以上の高山にはもはや樹林帯はなく、高山帯の植物が生育している。 南アルプスの場合、標高約800m以下ではモミ・カシ・シイ・タブの林が見られ、約1600mまでの間ではツガ・ウラジロモミ・ブナの林、約2600mまでの間ではダケカンバ・シラビソ・コメツガ・ウラジロモミの林が多い。そして、森林限界を越えた高山帯ではハイマツ群落と色とりどりの花が咲く高山植物の世界になっている。 風当たりが強く、乾燥した風衝地と呼ばれる所では、背丈は低いが、根がよく発達した植物が生育している。よく見られるものとしてはミネズオウ・イワウメ・クロマメノキ・キバナシャクナゲ等である。 また、雪渓跡地には明るく、いかにもアルプスらしい花々の群落が見られる。北アルプスに比べやや乾燥した南アルプスの雪渓跡地ではシナノキンバイ・ハクサンイチゲ・クロユリ・ヨツバシオガマ・キバナノコマノツメ・チングルマ・アオノツガザクラ・テガタチドリなどが見られる。 三伏峠や千枚岳東斜面・聖平などでは高茎草本群落という植物群落が見られる。高茎草本群落はダケカンバ林と一緒に存在することがしばしばで、その場所は積雪が多く、湿った環境である。目立つ植物としてはマルバダケブキ・シシウド・ホソバトリカブト・ニッコウキスゲ・ムカゴトラノオ・クルマユリ・グンナイフウロ・バイケイソウ等である。
[ ほ乳類・鳥類 ] ニホンカモシカ(天然記念物)とホンシュウジカはよく見かける。特にホンシュウジカは毎日のように声を聞くほどである。また、ニホンザルは川沿いの林の中を集団で移動したりしている。 小型なものとしてはネズミ・オコジョ・ニホンリス・ノウサギ・ホンシュウモモンガ・ムササビ・ヤマネ・ホンドテン・ホンドイタチ・アナグマ・ハクビシンなどが生息しているようだ。 鳥類ではやはりライチョウが目立つ存在。夏場、稜線の登山道脇でひな鳥を3~4羽連れた姿をよく見かける。その他、イワヒバリ・ホシガラス・メボソムシクイ・コマドリ・ウソ・イヌワシなども見ることができる。
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